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美容師が知っておきたい保険のこと

公開日
writer:Mariko Matsumoto

美容室の保険・社会保障

就職・転職の際に気になるのが「保険」。
新卒の方は、先生や親御さんから「社会保険完備」の美容室をすすめられたこともあるのではないでしょうか?

何かとフィーチャーされることの多い「保険」ですが、実はこれらは人生の色々なシーンに関わってくる「社会保障」のひとつ。今回は、ぜひ身に付けておいてほしい基礎知識をまとめてみました。

1 社会保障とは

社会保障は、突然振りかかる病気や怪我などから私たちを守ってくれるシステムです。1人ではどうしようもないことを、国民や国がお金を出し合って解決するために運営されています。身近なものとしては「健康保険」や、仕事を失った時に失業手当がもらえる「雇用保険」、仕事中に起きた怪我の治療費を補ってくれる「労災保険」などがあります。また、将来は「年金」で生活したり、「介護保険」で介護サービスを安く受けられたりするかもしれません。実はみんな様々な保障を受けながら生活しているのです。

1.1 健康保険

日本は、全員が健康保険に加入している国です。毎月保険料を支払わなければなりませんが、その代わりに多くの治療を本来かかる費用の3割の金額で受けることができます。ここでは、代表的な2つの保険と、美容師さんだけが加入できる保険を紹介します。

1.1.1 国民健康保険

自営業の人や学生が対象となる健康保険です。大都市を除けば、小さな美容室で働いている人の多くがこの国民健康保険に加入しています。運営しているのは市区町村なので、加入・脱退をする場合は市役所、区役所などに届出に行きます。
保険料は、各自治体から届くお知らせに従って自分で支払います。

1.1.2 社会保険

美容室が大きかったり会社化されている場合、社会保険というくくりの中の健康保険に加入していることがあります。事業所が加入していれば、働いている美容師も社会保険の適用を受けます。
社会保険の大きな特徴は、かかる保険料の半分を会社(美容室)が負担してくれることです。保険料は、給料から自動的に引かれます。
美容師さんの社会保険で代表的なものは、中小企業のサラリーマンも加入している「協会けんぽ※1」によるものと、最近設立された美容師専用の「全日本理美容健康保険組合※2」の2つです。

1.1.3 美容師保険

東京か大阪に職場があり、個人経営の美容室で働いている方だけが入れる健康保険があります。東京の組合は美容室が組合に加入していることが条件になり、大阪の組合はお店の承諾があれば従業員単独での加入も可能です。
支払い方法は、東京の場合はお店単位の契約なので給与天引やお店への支払い、大阪の場合はお店もしくは個人の口座からの引き落としとなります。
初めに紹介したものと同じ「国民健康保険」という名前がついていますが、これらの保険の大きな特徴は給料がいくらでも保険料が一律という点です。

  • 東京の場合 東京美容国民健康保険組合

    美容室が東京にあり、この組合に加入していれば、働く人の住所が神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、及び山梨県にあっても入ることができます。健康保険の他、出産一時金・手当金、人間ドックの助成なども行っています。

  • 大阪の場合  大阪府整容国民健康保険組合

    美容室が大阪にあれば、働く人の住所が近畿の他府県にあっても入ることができます。大きな特徴は、美容室が組合に加入していなくても個人での申請ができるという点です。人間ドックの助成や、スポーツクラブの会費割引なども行っています。

1.2 年金

日本では、20歳以上60歳未満の国民は「国民年金」に加入しなければなりません。決まった年数払い続ければ、65歳以降、毎月「老齢年金」をもらえます。その他、障害者と認定された場合や家族が亡くなった場合「障害年金」や「遺族年金」がもらえる制度もあります。
自営業の人等は「国民年金基金」、サラリーマンは「厚生年金」を上乗せして払うことで、将来もらえる額を大きくすることができます。
ここでは、美容師さんにとって身近な年金の種類を紹介します。

1.2.1 国民年金

全ての国民に支払い義務がある年金です。「国民健康保険」に入っている人はそちらと合わせて、自分で払います。料金は全国一律で、平成27年度は15,590円でした。まとめて先払いすると安くなる制度があります。

1.2.2 厚生年金

「社会保険」に入っている人は、「厚生年金」を払います。この料金は給与に応じて決まり、支払う料金の中には義務である「国民年金」の料金も含まれています。社会保険料と合わせて、こちらも半分を会社(美容室)が負担してくれるのが特徴です。

☆美容師保険に入っている人は、年金の種別は「国民年金」となります。

☆社会保険の中でも「協会けんぽ」ではなく「全日本理美容健康保険組合」に加入している人は、「国民年金」を払います。

☆社会保険が「協会けんぽ」の場合は、住んでいる地域によって保険料が異なります。「全日本理美容健康保険組合」は、どこに住んでも保険料が一律です。

1.3 労働保険

社会保障の中で、労働に関する保険は2つあります。失業した時に手当をもらえる「雇用保険」、労務上の怪我等を補償してくれる「労災保険」です。

1.3.1 雇用保険

「週に20時間以上働く人」「31日以上雇われる見込みのある人」は、雇用保険に入る義務があります。「失業手当」(基本手当といいます)が代表的な給付ですが、雇用保険に入っていると「育児休業給付」や離職後の「傷病手当」など様々な給付が受けられます。保険料は美容室とスタッフ双方の負担でまかなっており、スタッフの負担率は5/1000です。(給料×0.005)

1.3.2 労災保険

労災保険の加入条件は幅広く、原則として1人でもスタッフがいる事業所(美容室)は労災保険に入る義務があります。保険料は、全額事業主(美容室)負担です。正社員だけでなく、パート・アルバイト等雇用形態に関わらず全員が保険の適用を受けます。加入すると、業務中、通勤中に怪我をしたり障害を負ったり死亡した場合に、本人または家族に決まった補償が行われます。

2 保険料のシミュレーション

働く美容室の場所、加入している保険の種類によって、保険料・年金の支払額は様々です。実際にいくら払うことになるのか、シミュレーションしてみましょう。
国民健康保険の場合、計算法は地域によって異なっており、複雑です。ここでは給料と地域を選択すると保険料を試算してくれるウェブサイトを使って概算してみます。

ここでは、新宿区の美容師Aさん、大阪市の美容師Bさん、福岡市の美容師Cさんについて、美容室で働き始めたとき(20歳)とその5年後(25歳)の状態をそれぞれ例に出して計算してみることとします。

  • Aさん Aさん(新宿区)
  • Bさん Bさん(大阪市)
  • Cさん Cさん(福岡市)
20歳・月給16万円の月額保険料(年金・雇用保険等込)
Aさん
Bさん
Cさん
国保の場合
25,314円
29,499円
28,909円
社保(協会けんぽ)の場合
22,755円
22,544円
22,592円
社保(理美けんぽ)の場合
24,050円
24,050円
24,050円
美容師国保の場合
31,050円
26,550円
-
25歳・月給25万円の月額保険料(年金・雇用保険等込)
Aさん
Bさん
Cさん
国保の場合
31,126円(+5,812)
36,740円(+7,241)
36,447円(+7,538)
社保(協会けんぽ)の場合
33,758円(+11,003)
33,866円(+11,322)
33,938円(+11,346)
社保(理美けんぽ)の場合
28,500円(+4,450)
28,500円(+4,450)
28,500円(+4,450)
美容師国保の場合
31,500円(+450)
27,000円(+450)
-

※ ()は20歳時の金額と比較した際の差です。

このように、住んでいる場所や保険の種別によって、どの保険システムがお得になるかは様々です。全国的に見ても、都市部だから国民保険料が高く、田舎だから安いということも一概には言えないようでした。
今回は便利なサイトを使用して概算してみましたが、ご自身が働く自治体のサイトへアクセスして保険料を試算してみることをオススメします。(市役所・区役所等の窓口で聞くのが一番確実です)

まとめ

いかがでしたか?私たちは様々な保険や年金を利用したり、いざとなった時に守られながら生きています。
月々の支払額を最小限に抑えるのか、将来の投資として少々保険料額が高くても働きたいサロンで働くのか等、自分のライフスタイルに合った保険、そして職場はどんなものなのか、考えるきっかけになれば幸いです。

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